生理が来たのに妊娠していた!?生理と間違いやすい妊娠超初期の不正出血の話。
病院で医者に告げられるまで妊娠してるなんて思いもしなかった!という方がよくいます。その原因の多くが「だって今月も生理来たし・・・」なんですよね。
生理が来ないと「妊娠かな?」と疑うけれど、きちんと来ていれば妊娠に驚くのも無理はありません。
今回は妊娠中に生理が来ることはあるのか、妊娠超初期の出血についてみていきます。
ー*-*-目次ー*-*-
生理のメカニズムを簡単におさらい
「生理」とは、妊娠の可能な女性に毎月定期的に訪れる正常な出血のことです。
医学的には「月経」と呼びます。
女性の身体が妊娠するために毎月排卵をし、それが精子と結びつくことで受精し、そのまま着床すれば妊娠となります。
しかし精子との結びつきが起こらなかった場合、着床のために準備をしていた子宮内膜も不要になります。子宮内膜が子宮から剥がれ落ち体外に排出される過程で出血することを生理と呼びます。
妊娠中は生理は来ない?
生理は妊娠が成立しなかった場合に起こるものなので、その原理から言って妊娠中に生理は起こりません。
ごく稀に妊娠中も毎月生理が来ていたなんて人もいますが、それはかなりレアなケースです。
医者さえも首を捻る人体の神秘と言えるでしょう。
生理と不正出血を勘違い
ではなぜ生理が来たのに妊娠していた!と感じる方が多いのでしょう?
実はそういった場合の多くは、妊娠超初期に起こりやすい不正出血を生理と勘違いしてしまっているパターンなんです。
不正出血と生理の見分けは妊娠を自覚していない段階ではとても難しく、故に妊娠に気づかない場合が多いのです。
妊娠超初期の不正出血の原因7つ
妊娠超初期に不正出血が起きた時、考えられる原因は下記の通りです。
【妊娠に大きく問題はないケース】
出血はしても、妊娠自体には大きく影響しないケースです。
※違う病気の場合もあるので、妊娠の自覚がある場合は出血したら必ず受診するようにしましょう。
着床出血
最も多いのがこの着床出血を生理と勘違いするケースのようです。
受精卵が着床する際に子宮内膜へと潜り込みますが、その時に出血が見られることがあります。これが着床出血です。特に妊娠に問題はなく、通常通り一週間程度で検査薬でも陽性反応が確認できるようになります。
だいたい2~3日で出血は止まり、鮮血ではなく赤茶色やピンク色のおりものに近い出血であることが多いそうです。
子宮膣部びらんによる出血
女性ホルモンの分泌により、妊娠したときに子宮膣部が膨らみただれた状態になることで出血が起こることがあり、これを子宮膣部びらんといいます。
子宮膣部びらんは痛みもなく月経のある女性の7割に見られる症状です。
特に痛みがなければそのままでも妊娠に問題はないですが、もしも痛みがある場合、出血の量が増えた場合などは婦人科を受診してください。
感染症にかかっている場合があるようです。
絨毛性出血
妊娠後に赤ちゃんに栄養を送るための胎盤を作る過程で、女性の身体は新しい血管をたくさん作ります。
その時起こる長くだらだらと続く出血を絨毛性出血と呼びます。
多くの場合は安静にしていれば自然と治まり、赤ちゃんに影響することもありません。
ですが素人判断は危険なため、妊娠がわかっているのに出血が続く場合は必ず受診しましょう。
【すぐに病院へ行くべきケース】
これらが疑わしい場合はすぐに病院へ行きましょう。
放置すると子宮を摘出しなければならない事態になってしまうこともあります。
子宮外妊娠
受精卵が正常に着床せず、途中で詰まってしまうことを子宮外妊娠といいます。
子宮外妊娠になってしまった場合は残念ながらそのまま妊娠を継続することはできません。
放置していると卵管が破裂してしまう危険もあるので、早期治療が望ましいです。
出血の特徴としては、重い生理痛のような激しい痛みと出血が続きます。
妊娠の可能性のある行為があって、普段生理痛が酷くない方が突然痛み出した場合などは受診することをお薦めします。
胞状奇胎による出血
こちらも子宮外妊娠と同じく残念ながら妊娠の継続は不可能な異常妊娠に該当します。
受精卵の着床時に胎盤の元となる組織が異常に増えてしまい、水泡のようになり子宮を覆ってしまう状態を胞状奇胎と呼びます。
下腹部の痛みや茶色いおりものが見られるのが特徴です。
その部分だけを手術で取り除くか、酷い場合は子宮全摘出になってしまう怖い症状です。
また、40代以降は除去手術後に絨毛がんになる可能性も指摘されています。
【妊娠がうまくいかなかったケース】
知らない間に妊娠したけれどうまく安定できなかったケースです。
初期流産
妊娠の初期に出血が見られても安心にしていれば問題のない場合がほとんどですが、感じていたつわりがなくなった場合は初期流産の可能性があるようです。
妊娠超初期の流産は受精卵の染色体異常が原因とされています。
悲しいですが、起こるべくして起こってしまうことなのであまり気を落とさず、気分を切り替えて次のチャンスを待ちましょう。
妊婦さんの努力ではどうにもならないことなので、自分を責めないようにしてください。
科学的流産
科学的流産は受精卵がうまく着床することが出来ず、そのまま体外に流れてしまったことで役割のなくなった子宮内膜が剥がれてしまう症状です。
通常の生理とほぼ同様の状況のため、そのまま自然に次の生理がやってきます。
以前は一度受精したことにも気づかない場合が多かったのですが、医学の発展や検査薬の質が上がったことで科学的流産にも気づけるようになってきました。
妊娠や不正出血などの身体の異常にいち早く気づくには?
生理か不正出血かをいち早く判断するには、普段から基礎体温表をつけて自分の身体の月経周期を把握しておくことが大切です。
出血の色や臭い、量や形状などが普段と違わないか、体温の変化に大きな乱れが起きていないか、常に気を配っておくことが異常の早期発見につながります。
妊娠を望む場合も望んでいない場合も自分の身体の周期を把握することで望まない事態を防ぐことができるのではないでしょうか。
妊娠検査薬・基礎体温表・婦人用体温計があれば安心ですね。