【今更聞けない妊娠のしくみ】女性の身体の機能と基礎体温の変化について。
「妊娠」という言葉は当たり前のように使っているけれど、その詳しいしくみやどの段階で妊娠が成立するのか、意外に知らない人も多いのではないでしょうか。
現代では赤ちゃんはコウノトリが運んできてくれるものではありません。
そんな妊娠について、詳しく見ていきたいと思います。
ー*ー*ー目次ー*-*-
妊娠のしくみ
初めての妊娠はわからないことだらけ。まずはそのしくみを知って、妊娠についての理解を深めることから始めましょう。
妊娠は、女性の持つ卵子と男性の持つ精子との結びつきから始まります。その過程をみていきます。
排卵のしくみ
女性は卵子のもとになる原子卵胞と呼ばれる細胞を数百万個持っています。思春期を迎えるとこれが毎月数個ずつ、成熟卵胞へと育ちます。
排卵日がやってくると成熟卵胞から1個の卵子が飛び出します。これが排卵と呼ばれるもので、女性には毎月一度訪れるものです。
飛び出した卵子は卵管の先の卵管采にキャッチされて卵管の内部に取り込まれます。
そのまま卵管膨大部まで進み、そこで精子がやってくるのを待つことになります。
受精のしくみ
セックスをするとおよそ1億個の精子が膣内に放出されます。けれども膣内は細菌などへの感染を防ぐため、酸性が強く表れています。そのため多くの精子が卵子へたどり着く前に死んでしまい、生き残った生命力の強い数十~数百の精子だけが泳いで卵子を目指すことができるのです。
その過酷な競争に勝利し、卵子までたどり着くことのできたたった1個の精子が卵子と受精することができるのです。
受精後しばらくすると卵子と精子の持つ染色体が合わさり、受精卵となります。
妊娠は、受精卵から最終的に進化した胞胚が子宮にたどり着き着床した時点で成立します。
266日間赤ちゃんを守る選抜メンバー
女性の子宮の中には胎児を守り育てるためのいくつもの器官が存在します。
ここでは、その種類と働きを見ていきます。
胎盤
赤ちゃんがママから酸素や栄養をもらい、不要になった二酸化炭素や排泄物を交換するための器官です。また胎盤は黄体ホルモンや卵胞ホルモンを分泌することにより、赤ちゃんの成長促したり妊娠自体の継続を維持したりという働きも持っています。
胎盤は細菌が赤ちゃんへと侵入することは防げますが、アルコールやニコチン、カフェイン、薬などはそのまま通過させてしまいます。
羊水
子宮の中を満たしている水で、この中に赤ちゃんはぷかぷか浮かんでいます。
衝撃から赤ちゃんを守る働きも持っています。羊水のほとんどは赤ちゃんのおしっこです。
臍帯(へその緒)
胎盤と赤ちゃんをつなぐ管のような器官です。動脈と静脈がロープのように捻じれた状態になっています。酸素や栄養を赤ちゃんへと運び、老廃物をママの身体へと戻すための通り道です。
卵膜
卵膜は赤ちゃんと羊水を包んでいる膜です。細菌やウイルスから赤ちゃんを守る役割を負っています。何らかの刺激で卵膜が破れ羊水が流れ出ることを破水と言います。
基礎体温の変化
女性は生理周期や排卵日の特定のために基礎体温表をつけることが望ましいとされています。妊娠すると基礎体温にはどのような変化が起きるのでしょうか。
妊娠していないとき
低温期から排卵を境に高温期へと移ります。これは、排卵日の翌日から黄体ホルモンの影響で体温が上昇するからです。しばらく高温期が続き、体温が下がり始めると月経が始まります。
妊娠したとき
妊娠すると、月経予定日を過ぎても高温期から温度が下がらなくなります。排卵後、他の月と比べ明らかに高温期が続くようであれば妊娠の可能性があります。
「妊娠かな?」と感じたら
体調の変化や基礎体温の変化から「もしかして妊娠かも・・・」と感じたら、まずは市販の妊娠検査薬を試してみることをお薦めします。妊娠から検査薬で結果が確認できるようになるまでには少し時間がかかるので、一度試してもし結果が出なくても、数日空けて再度試してみると陽性反応が出ることもあります。
陽性反応が出た段階で妊娠が確定する訳ではなく、医師の診断が下りて初めて確定となります。必ず産婦人科を受診しましょう。