初診で小さな子宮筋腫を発見!妊娠・出産への影響が心配・・・。
初診の際に医師から「小さな子宮筋腫があるので様子をみましょう」と言われた場合、その後の妊娠の経過や出産に問題はないのでしょうか。
筋腫なんて言われると「え?ガンじゃないよね!?」と恐ろしくなってしまいますよね。子宮筋腫とは何か、様子を見るとはどういうことかを見ていきましょう。
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子宮筋腫って何?
子宮筋腫とは、子宮の筋層や頸部にできる良性の腫瘍です。小さなものまで含めると、30歳以上の女性の20~30%に子宮筋腫があるといわれています。子宮筋腫はできる場所によっていくつかの種類がありますが、今回は割愛します。
妊娠で子宮筋腫が大きくなる?
妊娠すると、元々あった小さな筋腫が大きくなることがあります。これは妊娠によるホルモンの影響や子宮の血流がよくなることで起こるといわれており、特に妊娠5、6ヶ月頃に下腹部痛やお腹の張りなどの症状が出ることが多いです。この場合、治療の必要があります。
赤ちゃんに影響はないの?
ほとんどの場合、筋腫があっても赤ちゃんの成長には影響はありません。しかしできている部位によっては経腟分娩が難しくなり、帝王切開を薦められる場合もあります。
子宮筋腫はそのままでも普通に妊娠・出産ができる場合がほとんどですが、まれに妊娠の影響で筋腫が変性して炎症を起こしたり、筋腫が子宮を刺激して収縮を促したりして切迫流産や切迫早産になってしまう場合があります。また、受精卵の着床や赤ちゃんのポジションに影響する位置に筋腫がある場合、前置胎盤や逆子になる可能性ももっています。他にも出産時に微弱陣痛や回旋異常を招くこともあるようです。
このように、筋腫に異常が見られた場合は早期対処が必要になるため、しっかりと経過を観察していく必要があるのです。
妊娠中は筋腫と上手に共存し乗り切る!
子宮筋腫に大きな異常が見られれば早期対処がされますが、多くの場合は自然分娩の最中に必要があれば帝王切開に切り替えるというのが一般的なようです。子宮筋腫は週数が進むにつれて柔らかくなる傾向があるため、頸部にできた筋腫でも小さく柔らかくなっていれば問題なく出産できるからです。子宮筋腫のある妊婦さんの場合、分娩時はいつでも切り替えられるように帝王切開の準備をして臨みます。
ちなみに、意外にも筋腫の大きさとトラブルの起こる度合いとはあまり関係がなく、5~6㎝くらいの大きい筋腫になると赤ちゃんを圧迫しないようにうまく動くために出産には影響しないことが多いのです。逆に1~3cm程度と小さくても、位置の悪い筋腫の方が厄介です。
妊娠中に筋腫が見つかった場合は、筋腫のある人はない人に比べてトラブルを起こす危険性が高くなることを知っておき、妊婦検診をきちんと受け、お腹の張りや痛みなどに注意をしておくようにしましょう。
子宮筋腫は小さければほとんど自覚症状がありません。それ故妊娠して初めて気づく場合も多いのです。過労や精神的ストレス、緊張が続くと、子宮の血行が悪くなり筋腫の悪化につながる可能性が高くなります。妊娠中は筋腫の有無にかかわらず、できる限り心穏やかに過ごせればいいですよね。